漫才ギャング

「漫才ギャング」は、「ドロップ」で記念すべき監督デビューを飾ったお笑いコンビ“品川庄司”の品川祐が、自身の原作小説を映画化した監督第2作目です。キャッチコピーは「もうハンパじゃ、終われない!!」

2011年3月19日に公開されましたが、2011年3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生した影響で、映画館の休館や営業時間短縮もあり全体の興行収入も落ち込んでいる中で、全国192スクリーンで公開しました。2011年3月19、20日初日2日間で興収は興収8,600万4,500円、動員は6万8,206人、初日3日間で興収興収1億3,912万8,600円、動員11万934人になり、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第8位となりました。

角川シネマ有楽町と大阪の梅田ブルク7となんばパークスシネマで行われた舞台あいさつ上映回と初回終了後に行われた募金の合計225万5,228円が日本赤十字社を通じて義援金として寄付されました。

脚本・監督は品川ヒロシです。小説のあとがきでは、「飛夫と龍平は僕の分身です。僕の若い時を2つに割って、出会わせて、初めて1つの僕になる。それを37歳の僕が書いているって感じ」と述べています。一作目の「ドロップ」は品川ヒロシが自身の青春時代を綴っています。不良に憧れて計画的にドロップアウトした青春時代の話ですが、今回の作品は「笑い」に命を懸けた男たちの生き様を描いています。映画の中同様に、借金作って夢半ばで辞めてしまう芸人の仲間たちもたくさんいたので、そんな品川ヒロシの実体験も随所に入っています。主人公は、彼自身の若い頃が感じられます。ラストチャンスでM-1行った時に「昔はツパってて誰とも話さんかった」と言っていたのでその時のM-1を思い出しました。

映画の内容は芸人たちのサクセスストーリーではなく、むしろ売れない芸人のまわりのコメディ&人間ドラマに焦点を当てています。元相方は解散したことを気にしている。飛男は自分から別れると言った彼女とよりを戻そうとする。という2つの事柄を、全く同じように描かれています。芸人のコンビは、普段から仲が良いコンビもあれば、まったく話をしないコンビもあります。相方の存在は、恋人と同じくらい縁の切りにくいものなんでしょうね。映画を通して、伝えたいことは「人は変われる」ということ。中途半端だった人間が一発奮起する姿は格好いいぞ!ということを映画を通して感じ取ってほしいと思ったのではないでしょうか?!

「漫才ギャング」のタイトル通り、漫才シーンもあります。しかも、漫才シーンを品川監督はぶっつけ本番で撮影したといいます。通常の漫才をしている場面を撮影する場合は、ステージと客席を別撮りするのが普通なのですが、別撮りのためにどうしても笑い待ちや間などに違和感が残ると品川監督は言います。それに加えて自身が舞台で漫才をした時に「あ、うけた!良かった~~」となるとホッとするし、ネタがウケけたときの表情は絶対顔に出ると言います。必ずお客さんの生の笑いがあればこそ、現実感もわくし、客席でネタが受けると自信もついて、声も張りが出る。と品川ヒロシとしてが感じていることもあるので、実際にお客さんの前で撮影したそうです。しかもリハーサルなしのぶっつけ本番での撮影だったそうです。もちろんぶっつけ本番に向けて、かなりの練習を積んでの本番になったそうです。演じた主演の二人も、漫才を直接お客さんの前ですることによって、「ウケる」という気持ち良さを味わったと言っています。

もちろん青春映画らしく、アクションもあります。アクション演出もかなり本格的で、ワンカットもとても長いアクションになっています。品川監督は、格闘しているときの当たっている感じ。ヒット感にこだわりたかったと言っています。ヒット感にこだわるために一連のアクションだけでは無理が出てくるので長いアクションで撮影したそうです。乱闘シーンは「オールド・ボーイ」を彷彿させる、横から固定して撮ったこのシーンです。「オールド・ボーイ」を品川監督も好きでよく観たと言っているので、オマージュかもしれません。

主演は「ROOKIES -卒業-」の佐藤隆太と「クローズZERO」の上地雄輔です。

あらすじ 

よしとも芸能に所属する鳴かず飛ばずのお笑い芸人・黒沢飛夫(佐藤隆太)はコンビを組んで10年。

恋人・宮崎由美子(石原さとみ)とも別れ、自分の力だけで売れる、先輩芸人にもスタッフにも愛想笑いなどして媚びたりしない、とプライドを持つ飛夫は、借金で苦しい相方の石井保(綾部祐二)から一方的に解散を告げられてしまいます。ヤケ酒を飲んで保のアパートを訪ねた飛夫はそこで、自称・フリーの芸人であるガンダムオタクの小淵川(秋山竜次)と口論になります。しかしそこに保の借金の取り立て屋である金井(宮川大輔)が現れます。金井に腹を殴られた飛夫は金井に頭からゲロを浴びせてしまい、激怒した金井に蹴り飛ばされて気絶します。通報を受けた警察の門倉(笹野高史)と池上(金成公信)は、気絶している飛夫を留置所へと運ぶ。

目を覚ました飛夫は留置所にいる事にビックリ。しかも同室にいたのは友人のデブタク(西代洋)を助けるために、不良グループ《スカルキッズ》と大立ち回りをしたうえ、足をナイフで刺されていた鬼塚龍平(上地雄輔)だったのです。ドレッドヘアに鬼と龍の刺青を腕に施した龍平の姿に、ビビリまくりの飛夫ですが、龍平にツッコミのセンスを見出し、彼を新たな漫才の相棒に誘う。

「あのさ・・・あの、俺とコンビ組まない?」

同じ頃、アパートに戻った保は金井に見付かってしまいます。彼らが用意した安アパートで寝泊まりして工事現場で働いて借金を返すように命じられるのでした。飛夫に対してゲロの慰謝料を貰う!と息巻く金井に、保は自分が肩代わりすると言い出しました。 酒とギャンブルに溺れて借金まみれとなったため、コンビ解消を言い出したせめてもの罪滅ぼしなのだ・・と。

保に確認してもらい、由美子に身元引受人となってもらって釈放された飛夫は、龍平が出てくるのを待って彼と新コンビ《ドラゴンフライ》を結成しますが、飛夫が出てくるのを待っていたスカルキッズのリーダー代理・城川(新井浩文)は手下を引き連れて喧嘩を吹っかけてきます。メンバーの1人ながらもそんな城川に反発する意思を隠さない岩崎(大悟)。大立ち回りの末に駆けつけた警察からなんとか逃げ出しすことはできたのでしたが・・。飛夫は「喧嘩が原因でダメになった芸人もいる」、と龍平に喧嘩しないように告げ、さらに本格的に漫才の特訓を始めます。努力が大嫌いな龍平ですが、保と飛夫の漫才のビデオなどを見ながら必死に練習するのでした。

しかし、飛夫の抱える借金を回収するため、金井と河原(長原成樹)が取り立てに現れます。取れ立て屋である河原は、なんと飛夫が漫才師を目指す切っ掛けとなった憧れの漫才師だったのです!留置所の釈放の件があってから、由美子とまた会うようになっていた飛夫です。由美子はまだ飛夫の事を忘れられず、飛夫も由美子と別れることで、初めて彼女の大切さが判るようになっていました。そして、由美子のお腹にはなんと飛夫の赤ちゃんまでいたのです。龍平はデブタクから強引に借りてきた金で借金を返済するように告げます。しかし飛夫のためにとお金を貯めていた由美子が彼の借金を肩代わりすると言うのでした。周囲に支えられながら、遂に二人はルミネよしともで舞台デビューを果たします。そして 舞台では、どんどん勝ち抜きを続ける二人でしたが、龍平を快く思わない城川は喧嘩しないと誓った龍平たちにも容赦なく喧嘩を仕掛けてくるのです。そして、龍平を苦しめるため、飛夫にまで手を出してくるのでした。

キャスト

  • 黒沢飛夫 - 佐藤隆太
  • 鬼塚龍平 - 上地雄輔
  • 宮崎由美子 - 石原さとみ
  • 石井保 - 綾部祐二(ピース)
  • 金井 - 宮川大輔
  • 成宮寛貴
  • 金子ノブアキ
  • 大島美幸(森三中)
  • 岩崎 - 大悟(千鳥)
  • デブタク - 西代洋(ミサイルマン)
  • 河本準一(次長課長)
  • フルーツポンチ(亘健太郎・村上健志)
  • 藤森慎吾(オリエンタルラジオ)
  • 小淵川 - 秋山竜次(ロバート)
  • 河原 - 長原成樹
  • 城川 - 新井浩文
  • 門倉 - 笹野高史

スタッフ

  • 監督・原作・脚本 - 品川ヒロシ
  • 撮影 - 北信康
  • 照明 - 渡辺嘉
  • 録音 - 鶴巻仁
  • 美術 - 相馬直樹
  • 編集 - 須永弘志
  • アクション - 諸鍛冶裕太
  • 監督補 - 西山太郎
  • 企画協力 - リトルモア
  • 特別協力 - サンライズ、バンダイホビー事業部、角川書店
  • 制作プロダクション / 配給 - 角川映画
  • 製作 - 「漫才ギャング」製作委員会(角川映画、吉本興業、テレビ朝日、ケイファクトリー、イーコンセプト、朝日放送、メ〜テレ、九州朝日放送、北海道テレビ放送、広島ホームテレビ

品川祐はどんな人なのでしょう?!

本作品では原作・脚本・監督と活躍している品川ヒロシですが、本業は芸人です。彼はどんな人なのでしょう?!

品川 祐 1972年4月26日東京都渋谷区出身です。品川庄司のボケ担当。立ち位置は向かって左。相方は庄司智春。主なネタはしゃべくり漫才で、かつてはコントが主でした。ネタの台本のほとんどを品川が作成しています。(庄司に漫才ネタを書いて貰ったところ、二人でやるネタなのに登場人物が三人になっていたので、その後はすべて品川が台本を書くようになったとか)作家・映画監督としての活動は品川ヒロシ名義で行っています。

東京生まれの東京育ちで、1995年に品川祐は吉本総合芸能学院東京校(東京NSC)の第一期生として入ります。そこで庄司と出会い、コンビを結成しました。

母親は、美容家で国際魅力学会会長のマダム路子(品川路子)です。父親は、山野グループの株式会社ヤマノ代表取締役元社長山野凱章。幼いころに両親が離婚し、自分を入れて計4人の兄弟(2人の姉と1人の兄)と一緒に母親に引き取られました。祖母は山野愛子がいます。幼い頃両親が別れてから、父親とはぜんぜん会っていなかったそうですが、父親は内緒で舞台を見に来たりしていたそうです。10年間交際していた彼女と結婚して、女の子のパパになりました。

相方の庄司とは仲が悪いのでは?!と言われています。実際にコンビ仲はあまり良いとは言えないようで、ケンカしたり仲直りしたり・・という感じです。もう大人の年齢の二人ですが、40歳(品川)にもなっている今でも「年に一度取っ組み合いの喧嘩になる」そうです。品川が小説を書いたりしてピンでの活動が活発になったときなど、あるテレビの番組宣伝に出演した時には、収録中のやりとりを巡って収録後に殴り合いのケンカに発展してしまいました。ケンカしながらも、またお互いのブログやTwitterを通してやりとりをするうちに、なんとなく仲直りしているのかもしれません。

ケンカしながらも根本的には、相方として大事な存在だと伺えるエピソードがあります。相方の庄司が結婚式の時に、品川は緊張のあまりに酒を飲みすぎてしまいました。そして、「品川庄司」がこんなに祝福されるまでになった~と強く心に感じ、結婚の祝辞を迫られた時に、「いつまでも調子に乗ってんじゃねえぞ。バーカ。もう、お前のためには葬式まで絶対に泣かない」と男泣きをしてしまいました。いろいろな思いが胸の中にあふれてきたのかもしれません

ガンダム好き、アニメ好きでもあるので、「ガンダム芸人」に名を連ねています。『鋼の錬金術師』に関しては、「原作、アニメもすごい。その続きを映画で見られるなんて!」と評価していて、いかにこれが楽しいかについて、しつこく伊集院光にウンチクを話しまくり伊集院光から「ここまでいわれるとあえて読みたくなくなる」とここでもウザッぶりを発揮しています。

好きな歌手は尾崎豊、BOØWY、SMAPなどで、番組などで尾崎の曲を歌う姿がたびたび見られます。『アメトーーク!』の「BOØWY芸人」「バンド芸人」の企画に参加したこともあり、顔に似合わず歌唱力もあるので、『お笑い芸人歌がうまい王座決定戦スペシャル』(フジテレビ)の第10回大会で優勝してしまいました。また、『アメトーク!』では「歌うま芸人(歌がうまい芸人)」という企画を自ら持ち込み実現させました。

品川は料理本を出すほど、料理が得意です。品川祐の子供時代、母親は仕事で忙しくしていたたため、自分で料理を作っていたそうです。今でも品川本人は「奥さんが作らないから自分で作る」いっています。

モデルとしても活躍していた母を持っているとは思えない顔の品川祐ですが、出生時の体重が4,500グラムとジャンボベビーで、びっくりすることに、7歳時点で45キロ!!!だったというので、かなり太っている子供だったそうです。これだけ大きく成長してしまった息子を持った、母親(マダム路子)から雑誌の企画でダイエットをさせられたことがあります。そしてそのダイエットで、5キロのダイエットに成功しました。

自他共に顔がブサイクであると認めていますが、あるキャラクターにも似ていると評判になりました。赤城乳業のマスコットキャラクター「ガリガリ君」とソックリだと評判で、「実写版」とさえ言われていたほどです。これもまたまた、品川自身も認めています。

以前は、品川のたるんだ体と庄司の筋肉の対比で笑いをとっていましたが、庄司の筋肉キャラが定着した後に品川はジムに通い始め、たるんだ身体から締まった体へと変わりました。そして髪を伸ばし、顎髭を生やして、東野幸治から、韓流スター?!と言われていましたが、テレビ番組の企画で「どうした!?品川」(2012年9月13日)から原点に帰るということで、髭を剃り、坊主となりました。